休み時間になると一斉に動きだす空気。ペンケースに反射した光が天井に踊っていて、あと十分後のチャイムをみんなが心待ちにしている。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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......ない。この無音を味わうことを、あらかじめしめしあわせている集団のようだった。乾いた木の匂い、さんさんと降る光、窓の外の緑。ここにいる人々、仲の良い同い年の人々。休み時間になると一斉に動きだす空気。ペンケースに反射した光が天井に踊っていて、あと十分後のチャイムをみんなが心待ちにしている。こういう奇跡のような共有が、ここを出たらもう一生このメンバーとは起こりえない。この空間にはそういう情報のすべてが、かすかな香りみたいに含まれている。そういう感じ......
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(大学)二百名は収容できる大きな階段教室は、ほどよい間隔を置いて満遍なく聴講生で埋まっている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ショートケーキのような真っ白な校舎
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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(横浜刑務所は)周囲を塀に囲まれていなければ、学校と見紛うような建物
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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