過ぎて、振り返って、ああ懐かしいねなんて思い出の一コマになる恋じゃなくて、何年たっても、何十年たっても疼くような、タトゥみたいに、引き攣れた傷痕みたいに、ずっとずっと残ってしまって、決して消せなくて、疼き続ける恋がしたい。さらさらと流れてゆくのではなく、身体に刻み込まれてしまう恋をするんだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......んだり、髪を短くしたり、携帯電話を放り投げて壊したりしたけれど、今振り返ると、きれいな記念写真みたいに、あたしの過去に納まっている。 そういうのじゃないんだ。 過ぎて、振り返って、ああ懐かしいねなんて思い出の一コマになる恋じゃなくて、何年たっても、何十年たっても疼くような、タトゥみたいに、引き攣れた傷痕みたいに、ずっとずっと残ってしまって、決して消せなくて、疼き続ける恋がしたい。さらさらと流れてゆくのではなく、身体に刻み込まれてしまう恋をするんだ。 そうでなければ、人間に生まれてきたかいがない。「馬鹿じゃないの」 美咲が肩をすくめる。美咲の馬鹿じゃないのには、段階があって、鼻先で笑うぐらいなら口癖の範囲内......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
ここに意味を表示
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
手に触れられただけなのに、胸が締めつけられそうで、同時に暖かで穏やかな感覚が広がっていく。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
自分は疲れているのだ、とティエンは思った。サユリに恋をして以来、彼は常に身も心も彼女のために 毛羽立たせていて、休むことができなかった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
有島武郎 / 或る女
彼はこちらに向けられた視線が熱い鉄板の上に落ちた水滴のように自分の心の中で音を立てるのを感じた。彼女を前にすると、心は、いつも熱を含んで熱くなる。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ