彼はプレイヤーを止めた。音楽は、もうそれで十分で、自分の内と外とが、 両ながらに静まってゆくのを感じた。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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幸せ・満足な気持ち
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......ショーターの官能性の極みとでも言いたくなるようなテナー・サックスの音が、苦しいほどに長く尾を引いて彼を突き抜けていった。 三度も繰り返してそのメドレーを聴くと、彼はプレイヤーを止めた。音楽は、もうそれで十分で、自分の内と外とが、両ながらに静まってゆくのを感じた。 彼は、ウォッカで酔ってゆく時の角度を愛していた。素潜りのように、深い酩酊の淵に向けて、まっすぐ一直線に沈んでゆく。途中の道行きは澄んでいて、言葉は決して追いつ......
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彼女はぼくを、まるで飛行機のファーストクラスに乗ったような気分にさせてくれた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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茨に刺された傷の痕を、親切な手でさすってもらってでもいるような心地よさ
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
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