水銀に罅 の入った古い掛鏡
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:49% 作品を確認(青空文庫)
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鏡・ミラー
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前後の文章を含んだ引用
......、心全面で眺め、味い、感覚する、この快さこそ、実に彼女に、久しく失っていた自由の蘇生を感じさせるものなのであった。 家じゅうに鏡はたった一つあるきりであった。水銀に罅 の入った古い掛鏡が、流しの横の柱に懸っていた。田舎へ来てから、伸子は毎朝顔を洗う時、気をつけてその鏡を覗いた。日により、或は光線によって、起きぬけの額がすらりと晴れて見えると、......
単語の意味
水銀(すいぎん・みずがね・みずかね)
水銀・・・金属元素のひとつ。元素記号Hg、原子番号80。常温で液体である唯一の金属。温度計や合金の素材になる。有毒。「汞(みずかね)」とも書く。
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海の底に一つ沈んでぎらっと光る貝殻 のように、床の上で影の中に物すごく横たわっている鏡
有島武郎 / 或る女
百貨店の大きくひらかれた一階の、高級な、手入れの行き届いた光のなかの一点の曇りもない大きな鏡のなかで自分の顔を映せば、色々な感情は奥へ奥へとひきのばされて女自身にもつかみどころのないものに変化して、それをまんべんなく見つめて、そこからしか見えないものを、隅々まで管理しつづける
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
ホールの鏡壁の七面へ映る七人の自分
岡本かの子 / 巴里のキャフェ
壁の鏡はまるでさっき出土されたもののようにどんより曇っている。
吉本ばなな / 哀しい予感 amazon
鏡台は、おもちゃのように小さく、古めかしいものであった。
永井 龍男 / 青梅雨 amazon
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(手ぬぐい)大きな蝸牛 の旱 からびだの
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
(花かご)淡い黄色のバラと鮮やかなオレンジ色のガーベラが濃い緑の葉に引き立てられて、日だまりのような暖かさを放っている。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
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