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室内の人工の灯りが徐々に流れ込んで、部屋を浸す暁の光線と中和すると、妙に精の抜けた白茶けた超現実の世界に器物や光景を彩り、人々は影を失った鉛の片 のようにひらぺたく見える。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:40% 作品を確認(青空文庫)
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室内に差し込む光
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前後の文章を含んだ引用
......を見守っていた。 女たちが代って覚束 なく毬をつき習ううち、夜は白々と明けて来た。窓越しにマロニエの街路樹の影が、銀灰色の暁の街の空気から徐々に浮き出して来た。 室内の人工の灯りが徐々に流れ込んで、部屋を浸す暁の光線と中和すると、妙に精の抜けた白茶けた超現実の世界に器物や光景を彩り、人々は影を失った鉛の片 のようにひらぺたく見える。 かの女は今ここに集まった男女が遊び女であれ、やくざ男であれ、自分の巴里 を去った後に、むす子の名を呼びかけて呉 れるものは、これ等の人々であるのを想 えば、なつかし......
単語の意味
白茶ける(しらちゃける)
光線(こうせん)
妙(みょう)
暁(あかつき)
光景(こうけい)
鉛(なまり)
白茶ける・・・色あせる。色があせて、薄茶がかった白色っぽくなる。また、興味や感動が薄くなる。シラける。
光線・・・光のすじ。光の線。差してくる光。
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
暁・・・夜明け。明け方。太陽の昇る少し前のまだ薄暗いころ。
光景・・・1.目に前に広がる景色。そこに見える景色や物事のありさま。景色。様子。
2.日の光。
2.日の光。
鉛・・・金属元素のひとつ。元素記号Pb、原子番号82。青みを帯びた灰色の金属。柔らかく腐食に強いため、古来より広く使われる。打撃を加えることで極めて薄い板状にできるが、引っ張られる力には弱く、細い線状にすることは難しい。湿った空気中で酸化し、表面が薄くくもる。有毒。
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室内に差し込む光の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
採光窓から降ってくる真夏の陽射しが床タイルにくっきりとした窓枠の影を作っている。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
暗くすると、どこの窓からかよその光が反射で薄明かりを起こしている
幸田文 / 流れる amazon
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木の間を 透して落ちる 陽 が、地上に散り敷いていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
木立をぬう朝陽と澄んだ空気が、心の表面を 射すように懐かしかった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
朝陽が無数の小石の陰影を際立たせる。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
濁った雲のなかに白い太陽が光り
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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元は老夫婦の家なので、一歩足を踏み入れただけで、視界から色が抜け落ちてしまったような感覚に襲われる。祐一が脱ぎ捨てた赤いスニーカーだけが、汚れてはいても、唯一、そこに明るい色を残す。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
晴れた天気の光の反射が、液体のように、みずみずしい閑寂の空気を室内に湛えている。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
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