白い亀の子タワシみたいな白髪頭

生え際にうっすらと霜をおく

黒い毛から白髪に変る途中とみられる とうもろこし 色

長い白髯は春の光の中で、支那素麺（そうめん）のように清らかに輝いた。

チョークで描いたような真っ白な髪

灰でも浴びたように白い髪

短く刈った白髪

漆黒の髪

髪には一筋二筋の白髪も光りはじめて来ている。

（乱れたヒゲ）元来から行儀のよくない髯でみんな思い思いの姿勢をとって生（は）えている。いくら個人主義が流行（はや）る世の中だって、こう町々（まちまち）に我儘（わがまま）を尽くされては持主の迷惑はさこそと思いやられる、主人もここに鑑（かんが）みるところあって近頃は大（おおい）に訓練を与えて、出来る限り系統的に按排（あんばい）するように尽力している。その熱心の功果（こうか）は空（むな）しからずして昨今ようやく歩調が少しととのうようになって来た。今までは髯が生（は）えておったのであるが、この頃は髯を生やしているのだと自慢するくらいになった。