ぼくらは二人で向かいあったまま、気まずくなった夫婦みたいにずいぶん長く黙り込んでいた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
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気まずい
黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......を飲んだが、にんじんはアイスクリームにはまったく手をつけなかった。アイスクリームは皿の中でどんどん溶けていったが、にんじんはそれに気がついてもいないようだった。ぼくらは二人で向かいあったまま、気まずくなった夫婦みたいにずいぶん長く黙り込んでいた。ウェイトレスは、用事があってぼくらのテーブルに来るたびに緊張した顔をしていた。「いろんなことがある」と、ずいぶんたってからぼくは口に出して言った。なにか話を始め......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(深夜の洗面台の前で二人きりになって思い出話)思い出話が終わると、もうお互いに喋る言葉が見つからなかった。二人の間をこぼれ落ちてゆく時間の音が、水の音とすり変わって、夜の果てまで細く連なっていった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
もの憂い沈黙が輪をえがいてひろがって行く
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
部屋は大量虐殺の直後を思わせる重い沈黙に覆われた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「嫌い」カテゴリからランダム5
唇の右の上へ幼稚で意地の悪い皺 をちょっと刻んだ
岡本かの子 / 河明り
彼を憎んだり恨んだりする気持はふしぎになかった。遅かれ早かれ、いずれはこう捕えられたのだという 諦めの感情が胸を支配しているのである。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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とりとめのない、いつ終わるとも知れない馬鹿話
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
生埋めにされる人間のように、ああ生きたいとうめいていた。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
初年兵係はさらに厚い唇をぬらして言った。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
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