上の空・心ここにあらずの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼は彼女と並んで歩きながら、彼女の心が、全く彼の方向にはなく、どこか彼女の体の内の深いところにずり落ちているのを感じていた。
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
その声は僕の耳をすり抜けていくだけだった。別のことを考えていた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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みぞおちの奥のあたりにぽっかりと空洞が生じてしまったような気分だった。出口も入口もない、純粋な空洞である。その奇妙な体内の欠落感──不在が実在するという感覚──は高い尖塔のてっぺんに上ったときに感じる恐怖のしびれにどこかしら似ているような気がした。空腹と高所恐怖に相通じるところがあるというのは新しい発見だった。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
(死の恐怖を)気をまぎらわすために司祭は狭いこの囲いの中を歩きまわった。体を動かさないではいられなかったからである。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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