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古ぼけた浪人のいるような家だ。電燈が馬鹿にくらい。どんなおばけが出て来るかと思った。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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粗末な建物
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......い。詩人になりたいと云ったら、何とか筋道をつけてくれるかもしれない。  私はもう七十銭しか持っていないのだ。  蒼馬あおうまを見たりと云う題をつけて、詩の原稿を持ってゆく。古ぼけた浪人のいるような家だ。電燈が馬鹿にくらい。どんなおばけが出て来るかと思った。  部屋の隅っこに小さくなっていると、生田氏がすっと奥から出て来た。何の変哲もない大島の光った着物を着ている、せた人だった。顔の皮膚がばかにてらてら光っている。......
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