古ぼけた浪人のいるような家だ。電燈が馬鹿にくらい。どんなおばけが出て来るかと思った。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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粗末な建物
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前後の文章を含んだ引用
......い。詩人になりたいと云ったら、何とか筋道をつけてくれるかもしれない。 私はもう七十銭しか持っていないのだ。 蒼馬 を見たりと云う題をつけて、詩の原稿を持ってゆく。古ぼけた浪人のいるような家だ。電燈が馬鹿にくらい。どんなおばけが出て来るかと思った。 部屋の隅っこに小さくなっていると、生田氏がすっと奥から出て来た。何の変哲もない大島の光った着物を着ている、痩 せた人だった。顔の皮膚がばかにてらてら光っている。......
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家といってもそれは町はずれの川ばたにあるこわれた水車小屋で
宮沢賢治 / セロ弾きのゴーシュ
かなり古い家らしく壁は剥 げ落ち、柱は虫に食われ、ほとんど修理の仕様も無いほどの茅屋
太宰治 / 人間失格
外観と同じく、離れの内部もやはり寒々としていた。ダイニングキッチンと書斎兼寝室の二部屋しかないのだが、狭さよりも味気なさの方が目立っていた。家具はどれも安物で、壁紙はくすみ、廊下は気味の悪い音を立てて軋んだ。また呼び鈴だけでなくあらゆるものが壊れるか、壊れそうになっていた。トイレの小窓にはひびが入り、勝手口のドアノブは半分取れかけ、食器戸棚の上にあるラジオは、いくらスイッチを押しても鳴らなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
駅の歪 んだ待合所
林芙美子 / 新版 放浪記
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蜘蛛のように小屋がけをする
中 勘助 / 銀の匙 amazon
小さな花屋を見つけたことがあった。そこには外国の小さな花が小さなブーケになって、たくさん並んでいた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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