フルーティーなアロマとまろやかなコク。酸味のきいた繊細で芳醇なテイスト。

（ひどくまずいコーヒー）昔、ディズニーの動物映画で死にかけたシマウマがちょうどあんな色の泥水を飲んでたな。

（瓶入りのコーヒー牛乳）いやらしいほど甘くて安物の味がする。

金地気（かなじけ）の出た番茶のように真黒な、苦いコーヒ

キャフェのテラスに並んでうそ寒く肩をしぼめながら誂（あつら）えたコーヒの色は一（ひと）きわきめこまかに濃く色が沈んで、唇（くちびる）に当（あた）るグラスの親しみも余計（よけい）しみじみと感ぜられる。

ビンで飲む牛乳は確実にうまい。変わるはずないのに、味がはっきり変わる。ひんやりしたビンの口当たりがおいしさの秘密に違いない。

まずくて薄い食堂のコーヒー

お茶は濃い色だが、味は頼りないほど淡白で香りもない

熱い茶を一杯グッと飲み込んだ……が、その又お茶の美味（おい）しかった事……舌から食道へと煮え伝わって行く芳（かん）ばしい薫（かお）りを、クリ返しクリ返し味わって行くうちに、全身の関節がフンワリと弛（ゆる）んで、血の循環がズンズンとよくなって来るのがわかった。気持ちがユッタリとなって、頭がポッカリと軽くなって、吾れにもあらず濡れた唇を嘗（な）めまわし

牛乳の濃厚さは、胸にもたれるほどだった。