(恋愛関係はらせんのような関係である)二人の考えはそのように全くちがうが、私たちは太古の男女だ。アダムとイブの恋心のモデルだ。愛しあう男女のすべての女にそういうくせのバリエーションが、すべての男に凝視の瞬間がある。お互いを写しあい永遠に続くらせんだ。 DNAのように、この、大宇宙のように。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:94% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......える暗黒の宇宙空間まで。 すごいすごいと私は内心狂喜し、 そして君が目をあけたとたんにそれはすべて消えてしまう。もういちど思い悩んでくれないかな、と私は思う。 二人の考えはそのように全くちがうが、私たちは太古の男女だ。アダムとイブの恋心のモデルだ。愛しあう男女のすべての女にそういうくせのバリエーションが、すべての男に凝視の瞬間がある。お互いを写しあい永遠に続くらせんだ。 DNAのように、この、大宇宙のように。 そのとき奇しくも彼女が私のほうを見て笑い、答みたいにこう言った。「ああ、ほんとにきれいだった。私ほんとに一生忘れない。」......
単語の意味
凝視(ぎょうし)
DNA(でぃーえぬえー)
永遠(えいえん・とわ)
凝視・・・目を凝らして一点を見つけること。目を大きく見開いてじっと見つめること。
DNA・・・細胞の中の核にあるデオキシリボ核酸(deoxyribo nucleic acid)という物質。細長い糸状。科学的な構造体や性質を調べると、デオキシリボースという物質を含む酸性を示すもの。DNAの一部が、生物の設計図である遺伝子である。つまりDNAは、遺伝子とそうでない部分からできた物質。
ちなみに、DNAの遺伝子でない部分が何をしているかについては、まだよくわかっていない。遺伝子ではないが遺伝子の働き方を調整する部分だと分かってきているが、全体としては謎が多い。
ちなみに、DNAの遺伝子でない部分が何をしているかについては、まだよくわかっていない。遺伝子ではないが遺伝子の働き方を調整する部分だと分かってきているが、全体としては謎が多い。
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
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恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二人の仲が恋に発酵する
岡本 かの子 / 花は勁し amazon
会ったらまた会いたくなって、一回セックスをしたら、またしたくなって、二、三、四回って増えていって、それが恋だと思う
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
並んで歩いていると、我知らず心がときめいてくる
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
こうして街を見ていて、行きかう女の顔が、みんな萃(人名)に見える。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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恋人の表現・描写・類語(男性・女性のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼の心地に宿った露草のようないじらしい恋人
岡本 かの子 / 食魔 amazon
K君と彼女との間には、清水のようなものが流れていた。K君が彼女にゆっくりと視線を向け、彼女が「そうね。」とか「うん。」とか、大して意味のない言葉をつぶやく時、控えめでひそやかな水の音が聞こえてきそうだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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「男性・女性」カテゴリからランダム5
古代ギリシアの彫刻のような美少年
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
傲慢な妻の態度に怯えている哀れな夫
藤本 義一 / やさぐれ刑事 amazon
(彼女は)美しかった。それは見た人の心の中の最もデリケートな部分にまで突き通ってしまいそうな美しさだった。
村上 春樹 / 風の歌を聴け amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
口腔と口腔をつないでつくる小空間の内部で、ふたつの舌が 猛り狂ったように動く。舌が肉片であること、硬くなったり柔らかくなったり尖ったり捻じれたり震えたりする熱く濡れた肉片であることを、異様なほど意識する。水島が何か言うが、食べ物を頬張りながらしゃべっているようで聞き取れない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
わたし自身の内部でまきおこる静かな嵐
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
階段の真下まで行った時、野呂が足を止め、ゆっくりとわたしのほうに顔を傾けると、わたしの頰に手をあてがってきた。ああ、ここでキスをされるのだな、と思った。 酔いが感覚を鈍麻させていたために、わたしがそう思ったのと、彼が唇を合わせてきたのはほぼ同時だった。眠ろうとして目を閉じる時のように、わたしはそっと目を閉じた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
身体を離してから、息がおさまるのを待つ間にそのまま眠り込んでしまうことが多い。こもった熱を全身の毛穴からゆっくり放散させながら、怠惰に過ごすこの時間が十和子は好きだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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