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夕方の香りを含む午後遅くの光が、街を透明に照らしていた。路地のひとつひとつに家々からはみだした植木が薄い影を落としていた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:91% 作品を確認(amazon)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......握る手だけを。あの中にこれが入っていて、死ぬとこんなふうにものになってしまう。 萃が死ななくてよかった。★ シャワーを浴びて、まだ髪の毛が生乾きのまま出発した。夕方の香りを含む午後遅くの光が、街を透明に照らしていた。路地のひとつひとつに家々からはみだした植木が薄い影を落としていた。 ふと、真夏に初めて咲の家に行ったときのことを思い出した。すごく昔のことのように思えた。平和だった思い出。ふと、乙彦に会って行こうかな、と思いたった。誰もいなく......
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
小さな家々の小窓に夕暮の陽がか あっと照りつけていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
まだ昼の続きのなかにいて、空の果てでは厚い灰色のカーテンのような雲の裾がバラ色に染まっている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
外はまだ完全には暗みきれておらず、淡く滲んだ 朽葉色の照明が、狭い路地を抜けて、これから食事に向かう人々の明るい表情に反射している。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
卵色の濁った夕空
宮本百合子 / 伸子
夕刻の金に光る町の中
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
暑苦しくてだれの購買意欲も誘わないだろう。服飾売り場はときどきこんな風に外界とずれて、エアポケットに入ってしまうことがある。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
わずかの時間しか地上に駐 まらない黄昏 の厳かな掟
梶井基次郎 / 冬の蠅
マンションの一部屋の明りが点いたり、消えたり、締め忘れた水飲み場の蛇口から水滴が落ちたり、K君の髪先が風にゆらめいたりするくらいしか、風景の中で動いているものはなかった。ひそやかな夜の息遣いが、聞こえてきそうだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
もうすっかり日が暮れているのに気付き、部屋の電気のスイッチを入れた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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