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他人行儀な、今のような会話でも、それが、お稲の白い息にまじってくちを出ると、何か、色をふくんだものとなって、三五兵衛の頬に生温なまぬるくふれてくる。
吉川英治 / 八寒道中 ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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......以上すすまなかった。ここでも自分の冷ややかなものが邪魔をして、女の心を寄せつけないのだ。承知はしているが、それだけはどうにもならない三五兵衛であった。  けれど、他人行儀な、今のような会話でも、それが、お稲の白い息にまじってくちを出ると、何か、色をふくんだものとなって、三五兵衛の頬に生温なまぬるくふれてくる。  とにかく、三五兵衛はこの女に、ある興味をおぼえだした。お稲の眼もそうして男をあらためていたが、それはこの女の、どの男にもする所作しょさかもわからない。  それに較べると、......
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頬(ほお・ほほ)
・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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(交際)これまで私は誰かと親しい関係になるたび、自分が少しずつ取り替えられていくような気分を味わってきたからである。  相手の思考や、相手の趣味、相手の言動がいつのまにか自分のそれに取って代わり、もともとそういう自分であったかのように振る舞っていることに気付くたび、いつも、ぞっとした。やめようとしても、やめられなかった。おそらく、振る舞っている、というような生易しいものではなかったのだろう。  男たちは皆、土に染み込んだ養分のように、私の根を通して、深いところに入り込んできた。新しい誰かと付き合うたび、私は植え替えられ、以前の土の養分はすっかり消えた。それを証明するかのように、私は過去に付き合ってきた男たちと過ごした日々を、ほとんど思い出せないのである。また不思議なことに、私と付き合う男たちは皆、進んで私の土になりたがった。そして最後は必ず、その土のせいで根腐れを起こしかけていると感じた私が慌てて鉢を割り、根っこを無理やり引き抜いてきたのだった。  土が悪いのか、そもそも根に問題があるのか。  旦那と結婚すると決めた時、いよいよ自分がすべて取り替えられ、あとかたもなくなるのだ、ということを考えなかったわけではない。
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