いつもより早く起きたので、寝起きは目が痛い

（起こされる）「起きろ」という声が頭の中で壊れた拡声器のようにわんわん響く

（悪夢）ああどうしようって混乱しながら目が覚める

（酔って寝て夜中に目が覚める）僕は頭を振って目を覚ました。体がしびれ、頭が痛んだ。誰かが僕を氷と一緒にシェーカーに入れて、でたらめに振りまわしたみたいだ。闇の中で目覚めるほど嫌なことはない。何もかもを最初からやりなおさなくてはいけないような気がするのだ。目覚めて最初のうちはまるで他人の人生を生きているような気分になってしまう。それが自分の人生に重なりあうまでにずいぶん時間がかかる。

僕は突然目が覚めた。眠りと覚醒の中間的地域というものが存在しなかった。目を開けた時には僕は既に覚醒の中枢にいた。頭の働きは完全に正常に復しているように感じられた。

（自責の念と悪い想像）だが、真夜中、その想像が不意に彼の眼をさまし、鋭い 爪 の先で胸の 芯 を目茶目茶にかきむしることがあった。そして思わず 呻き声をあげて 布団 からとびあがる。

葉子は闇（やみ）の中に目をさました。恐ろしい凶夢のなごりは、ど、ど、ど……と激しく高くうつ心臓に残っていた。

一節に、 「……彦次郎はねむった。ねむって、すさまじい夢を見た。（中略）重い、生ぐさい、どろどろとした黒い血の池の底へ引きずりこまれて、もがき、苦しみ、殺される獣のような悲鳴をあげ、そのわれとわが声に、彦次郎は目ざめた」 　とある。 　これまで自分が金をもらって殺した人たちの流血が、夢の中で彼を苦しめているわけだが、

寝返りと冷汗をくりかえして

寝小便のお蔭で、太古の大洪水の夢を見る。鼻が詰まったお蔭で、溺れ死にかかった少年時代の苦しみを今一度、夢に描かせられる。

ひどい疲労から小石のように眠りに落ちた。

身動きすると苦しく、目をつぶると靄（もや）のような眠気がかぶさってくる。

無防備な寝顔が赤ん坊のようにあどけない

闇を見つめて悶々としているうちに、じりじり時間がたっていく。　夜中の一時近くなって、やっと眠気の尻っ尾をつかんだような気がした。それを慎重にたぐり寄せていく。ドブネズミのようなその長い尾を引いていくと、その先に短い夢があった。灰色の淋しい街の風景のような、一瞬の夢。

わたしはこの頃夜中なにかに驚いたように眼が醒める。頭はおまえのことが気懸りなのだ。