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葉子は貞世の後ろ姿を見るにつけてふとその時の自分を思い出した。妙な心の働きから、その時の葉子が貞世になってそこに幻のように現われたのではないかとさえ疑った。《…略…》貞世のとも、幼い時の自分のとも区別のつかないはかなさ悲しさがこみ上げるようにわいていた。
※備考※ 自分と重ねる
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:70% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......にそんな事を一人で思いふけっているともうとめどなく悲しくなって来て父がなんといっても母がなんといっても、自分の心を自分の涙にひたしきって泣いた事を覚えている。  葉子は貞世の後ろ姿を見るにつけてふとその時の自分を思い出した。妙な心の働きから、その時の葉子が貞世になってそこに幻のように現われたのではないかとさえ疑った。これは葉子には始終ある癖だった。始めて起こった事が、どうしてもいつかの過去にそのまま起こった事のように思われてならない事がよくあった。貞世の姿は貞世ではなかった。苔香園たいこうえんは苔香園ではなかった。美人屋敷は美人屋敷ではなかった。周囲だけが妙にもやもやしてしんのほうだけが澄みきった水のようにはっきりしたその頭の中には、貞世のとも、幼い時の自分のとも区別のつかないはかなさ悲しさがこみ上げるようにわいていた。葉子はしばらくは針の運びも忘れてしまって、電灯の光を背に負って夕闇ゆうやみに埋もれて行く木立ちにながめ入った貞世の姿を、恐ろしさを感ずるまでになりながら見続けた。 「さあち......
単語の意味
妙(みょう)
後ろ姿・後姿(うしろすがた)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
後ろ姿・後姿・・・後ろから見た姿。後ろ手(うしろで)。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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