切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。
芥川龍之介 / 芋粥 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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揺れる炎・ともし火
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前後の文章を含んだ引用
......る。忘れまいぞ、卯時までにぢや。」 それが、二三度、繰返されたかと思ふと、やがて、人のけはひが止んで、あたりは忽 ち元のやうに、静な冬の夜になつた。その静な中に、切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。五位は欠伸 を一つ、噛みつぶして、又、とりとめのない、思量に耽 り出した。――山の芋と云ふからには、勿論芋粥にする気で、持つて来させるのに相違ない。さう思ふと、一時......
単語の意味
切り燈台・切り灯台(きりとうだい)
切り燈台・切り灯台・・・切って高燈台よりも背が低くした燈台(照明具)。上に油皿をのせて火をともす。
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薄暗い玄関が水の中のように感じられる。
黒井 千次 / 群棲 amazon
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チョコレート色の、アトリエの煙
林芙美子 / 新版 放浪記
痰を染色しはじめた。硝子板の間で火にあぶられたおばはんの痰が卵焼の茶色い縁のようにくっついていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
むくむくした煙が、小さな芽キャベツのように連なり合う
福永 武彦 / 草の花 amazon
木造の図書室が焼けたんだから、それはそれは物凄い火事だったらしいわね。火花の中を、無数の紙切れが赤い蝶々みたいにゆらゆら舞ってたんですって。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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