象の広場に茂った草は枯れ、あたりには既に冬の気配が感じとれる。
村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
枯れ葉・葉が散る
初冬・冬の始まり
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......一、色の統一、機能の統一。 新聞にはもう殆んど象の記事は載らない。人々は彼らの町がかつて一頭の象を所有していたことなんてすっかり忘れ去ってしまったように見える。象の広場に茂った草は枯れ、あたりには既に冬の気配が感じとれる。 象と飼育係は消滅してしまったし、彼らはもう二度とはここに戻ってこないのだ。......
単語の意味
象(ぞう)
象・・・ゾウ科の哺乳動物。巨大で全身灰色、長い牙を持つ。最大の特徴である自由に屈伸する長い鼻は、人間の手と同じように物を掴むことができる。「象」の字は象の姿の象形文字。アジア象は基本的に穏やかな性格で、家畜として飼育される。
ここに意味を表示
枯れ葉・葉が散るの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蝕まれて繊細なレース編みのように葉脈だけになった葉
森 敦 / 月山 amazon
木々の葉が、一日ごと剥 がれてゆく
梶井基次郎 / 冬の日
視界を遮るように、かえでの老樹が燃える緋色を中空に散らす
高橋治 / 墓を売る女「ベヒシュタイン歌う」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
初冬・冬の始まりの表現・描写・類語(冬のカテゴリ)の一覧 ランダム5
今朝の急激な冷え込みに、安藤は嫌でも冬の到来を実感させられた。マンションを出て大学に向かう途中、セーターを取りに戻ろうかと何度も足をとめたぐらいだ。結局そうしなかったのは、面倒くさかったせいもあるが、歩いているうちに身体が暖まってきたからに過ぎない。
鈴木 光司 / らせん amazon
肌の筋肉が寒い冬に抵抗して一時に緊縮するような冬
夏目漱石 / 門 amazon
この辺りの林は秋が凋落し、冬の景色が進行していた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「秋」カテゴリからランダム5
晩秋の冷たい靄が地に低く淀んで、空は紺青に澄んだ美しい宵
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
寝ころんで秋空の透明を見ていた。ほんとうにどこまでも透明で、どうしてだか、何だか裏切られているような感じがした。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
秋になると、星が幾つも流れて行く。
林芙美子 / 新版 放浪記
「冬」カテゴリからランダム5
十二月になった。世間では師走の慌ただしさとクリスマスムードの華やかさが入り混じって賑わしい
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
秋 の表現の一覧
冬 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ