伊吹がおずおずと、あかんべをするみたいに舌の先を出した。私は自分も舌を伸ばして、アイスキャンディを舐めるように、伊吹の真っ赤な舌の先を舌でつついた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置：18% 作品を確認（amazon）
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キス・口づけ
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......中にそっと踏み込んだ。 女の子みたいに小さな伊吹の手が、少しだけ震えるのがわかった。 私はその乾いてがさがさの唇を舌であけ、「伊吹も舌、出すんだよ」と言った。 伊吹がおずおずと、あかんべをするみたいに舌の先を出した。私は自分も舌を伸ばして、アイスキャンディを舐めるように、伊吹の真っ赤な舌の先を舌でつついた。 伊吹の舌は濡れていて、ぶよぶよしていた。これが正しいのかどうなのか、従兄の本には図解してあったわけではないので、さっぱりわからなかった。伊吹の舌は思ったより冷......
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舌と舌の柔らかさが触れ合う。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
唐突な動作で唇を吸われる。歯を割って舌が入ってくる。口と口をつないでできる限りのことをしようと、しばらくもみ合うような動きになる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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彼と言葉を交わした瞬間、突然世間に色がついたので私はびっくりしていた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた／サンクチュアリ」に収録 amazon
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