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民子は全くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐 で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢 ほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:28% 作品を確認(青空文庫)
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素朴な人・地味な印象の人
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前後の文章を含んだ引用
......っていない。民子も同じこと、物に突きあたった様な心持で強くお互に感じた時に声はつまってしまったのだ。二人はしばらく無言で歩く。 真 に民子は野菊の様な児であった。民子は全くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐 で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢 ほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。 しばらくは黙っていたけれど、いつまで話もしないでいるはなおおかしい様に思って、無理と話を考え出す。 「民さんはさっき何を考えてあんなに脇見もしないで歩いてい......
単語の意味
粗野(そや)
垢(あか)
爪の垢(つめのあか)
品格(ひんかく)
粗野・・・荒っぽく洗練されていないと。乱暴なさま。がさつなこと。
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
爪の垢・・・1.爪と指との間にたまっている垢(あか)。爪垢(つめあか)。
2.きわめて分量の少ないことのたとえ。ごくわずか。爪垢(つめあか)。
2.きわめて分量の少ないことのたとえ。ごくわずか。爪垢(つめあか)。
品格・・・その人やその物から自然と感じられる上品な雰囲気。これまでの生き方や習慣から自然と身についた品のよさ。
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彼女の姿も奇妙だった。服装や髪型に「今」がなかった。黒い髪は真っ直ぐで、やや長過ぎていた。服も飾るというより、肌を隠す目的のように見えた。世界に対して自分を開かず、まるで飾るのを恥じるように。そもそも、飾る概念そのものがないかのように。
中村文則 / 教団X amazon
皆、友だちの少なそうな雰囲気を漂わせていた。古風と言ってもいいくらいに堅実な装いに身を包み、顔立ちは大人しく、荷物は小さなカバンが一つ、といったところだった。
小川 洋子 / 仮名の作家「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
一度覚えてもすぐに忘れてしまうような顔だちなのだ。夢の中どころか、まっ昼間に一本道ですれちがったって気がつかないかもしれない。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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広間に群れたどの顔も面白いフイルムのようだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
(チャールズ皇太子)チャールズは外見からいえば、皇太子というよりは、胃腸に問題を抱えた物理の教師みたいに見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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