葉子の頬 げたをひしひしと五六度続けさまに平手 で打った。葉子はそれがまた快かった。そのびりびりと神経の末梢 に答えて来る感覚のためにからだじゅうに一種の陶酔を感ずるようにさえ思った。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:54% 作品を確認(青空文庫)
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マゾ
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前後の文章を含んだ引用
......く心安かった。葉子の五体からはひとりでに力が抜けて行って、震えを立ててかみ合っていた歯がゆるんだ。その瞬間をすかさず倉地はかまれていた手を振りほどくと、いきなり葉子の頬 げたをひしひしと五六度続けさまに平手 で打った。葉子はそれがまた快かった。そのびりびりと神経の末梢 に答えて来る感覚のためにからだじゅうに一種の陶酔を感ずるようにさえ思った。「もっとお打ちなさい」といってやりたかったけれども声は出なかった。そのくせ葉子の手は本能的に自分の頬をかばうように倉地の手の下るのをささえようとしていた。倉地は......
単語の意味
陶酔(とうすい)
頬(ほお・ほほ)
平手(ひらて)
陶酔・・・気持ちよく酔うこと。心を奪われてうっとりと気持ちのいいこと。
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
平手・・・1.平らに開いた手。開いた手の平。
2.将棋で、すべての駒を使って、お互いがハンディキャップなしに勝負すること。対馬(たいま)。
2.将棋で、すべての駒を使って、お互いがハンディキャップなしに勝負すること。対馬(たいま)。
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葉子の頬 げたをひしひしと五六度続けさまに平手 で打った。葉子はそれがまた快かった。そのびりびりと神経の末梢 に答えて来る感覚のためにからだじゅうに一種の陶酔を感ずるようにさえ思った。
有島武郎 / 或る女
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当初の印象を言えば、性格のおとなしそうな無口な娘だった。だが、それだけにどこか心の 裡 を他人に明かさない〝陰の部分〟を抱いているふうな様子がなくもなかった。 その印象は今でもずっと続いている。一緒に暮らしていても、濁った水底を透かすようなもどかしさを覚えることがある。
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