波の背 に乗って四十五度くらいの角度に船首を下に向けながら、帆をいっぱいに開いて、矢よりも早く走って行く一艘 の船!
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:48% 作品を確認(青空文庫)
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嵐の中の船
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前後の文章を含んだ引用
......言い合わせたようにその漁夫のほうを向いて、その漁夫が目をつけているほうへ視線をたどって行った。 船! ‥‥船! 濃い吹雪 の幕のあなたに、さだかには見えないが、波の背 に乗って四十五度くらいの角度に船首を下に向けながら、帆をいっぱいに開いて、矢よりも早く走って行く一艘 の船! それを見ると何かが君の胸をどきんと下からつき上げて来た。君は思わずすすり泣きでもしたいような心持ちになった。何はさておいても君たちはその船を目がけて助けを求......
単語の意味
背(せ)
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嵐の中の船の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
船は波の動揺のまにまに勝手放題に荒れ狂った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
最初の 嵐 が襲ってきました。五月六日の夜のことです。強風がまず東南から吹きつけてきました。熟練した二十五人の水夫たちも 帆桁 をおろし 前檣 に小帆を揚げましたが、夜半には風波に舟を 委せるだけで、そのうち船の前方に裂け目が入り、浸水がはじまりました。ほとんど一晩の間、我々はこの裂け目に布をつめ、水を外にくみ出す作業を続けねばなりませんでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
ドドドウと舷 を打つ重い濤音とともに、ギギギと船全体を軋ませ、ぐうっと右にロールした。
宮本百合子 / 伸子
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
千丈の甍の傾きかかったような海
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
川水は勢いを削(そ)がれどんよりと悲しんでいるようにしばらく澱(よど)んで見せる
室生 犀星 / あにいもうと「あにいもうと・詩人の別れ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
清らかな白波に月光がきらめき、月の中のうさぎが波間を走るかのように見える
白洲 正子 / 能の物語 amazon
石油を流したような光彩が、一面に浮いている
梶井基次郎 / 桜の樹の下には
「乗り物」カテゴリからランダム5
漕いでゆく艫(ろ)の音が、獣の子の乳をもとめる声のよう
中 勘助 / 銀の匙 amazon
電車はがたごと揺れながら、ゆるやかなカーブを曲がってゆく。ネオンや看板をちりばめた景色が窓を通り過ぎる。車内は白く明るく、家路に向かう人々はみな黙って眠そうに連なっている。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
「天災・荒れた天気」カテゴリからランダム5
台風が近づいていた。 民家は窓という窓に板を打ちつけてひっそりと身を 屈めている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
空では雲がけわしい灰色に光り、どんどんどんどん北のほうへ吹きとばされていました。
宮沢賢治 / 風の又三郎
海は、白い牙をむいていた。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
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