(とうもろこしをかぶりついて食べる)大抵の人は、中央どまん中というあたりにかぶりついてその辺一帯をけずり取る。そして次々にけずり取っては空き地を造成していく。このへんは、古い住宅をシャベルカーでけずり取っていく地上げ屋に似ている。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
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とうもろこし
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......かぶりつこうかと迷っているところからすでにしてよくない。 食事のマナーでは〝迷い箸〟はいけないとされているのである。〝迷い歯〟がいけないことはいうまでもない。 大抵の人は、中央どまん中というあたりにかぶりついてその辺一帯をけずり取る。そして次々にけずり取っては空き地を造成していく。このへんは、古い住宅をシャベルカーでけずり取っていく地上げ屋に似ている。 けずり取ってはアグアグと味わい、アグアグしながらも目は次期地上げ候補地の特定と査定に忙しい。 歯でけずり取った跡地を、今度しみじみ眺めてみて欲しい。 とうもろ......
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とうもろこしの味、おいしさを伝える表現・描写(野菜のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(とうもろこしの実を手ではずして食べる)左手にとうもろこしを持ち、右手の親指のハラのところを溝の左側の一列に押しあて、溝側に押し倒すと、粒はバラバラと倒れて手に残る。一回の押し倒しで、五、六粒の収穫があるからこれを口のところに持っていき、上向きかげんに口を開けてそこへパラパラと落としていく。 湿って軟らかく暖かい穀物の粒が、ポタポタポタと舌の上に落下する感触がこころよく、とうもろこし独特の雰囲気をかもしだす。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
しめった唐もろこしの茶色のひげの中から、ぞうげ色の粒々が行列して出て来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
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