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天を、星が動いてゆく音が耳の奥に聞こえてきそうなくらいに、しんとしている孤独な夜中だ。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
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夜のしじま(静けさ)
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前後の文章を含んだ引用
......いた。お母さんはまだ帰っていない。二時だ。 まだ夢の感触が生々しい。ステンレスにはねる水音を聞きながら、私は流しをみがいちゃおうかしら、とぼんやり思っていた。 天を、星が動いてゆく音が耳の奥に聞こえてきそうなくらいに、しんとしている孤独な夜中だ。かすかすの心に、コップ一杯の水がしみてゆく。少し寒く、スリッパをはいた素足がふるえた。「こんばんはー。」 と言って突然、雄一がうしろに来たので驚いた。「な、なに......
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夜のしじま(静けさ)の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
もう太陽の光が残っていない公園の静けさに、笑い声はすっと吸い込まれていく。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
ビーチ・ボーイズのテープがひととおり終わったので、僕はボタンを押してテープを取り出した。あたりが急にしんとした。車のタイヤが薄い水の膜をはねるシュウウウッという均一な音が聞こえるだけだった。真夜中なんだ、と僕は思った。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
人通りのない朱雀 の大路 を、二人は静かに馬を進めて行った。兄も黙っていれば、弟も口をきかない。しんとした夜は、ただ馬蹄 の響きにこだまをかえして、二人の上の空には涼しい天の川がかかっている。
芥川龍之介 / 偸盗
陰鬱な静けさが一枚の黒い大きな布のように降りてくる
森 瑤子 / 傷 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
深い溪谷が闇のなかへ沈む
梶井基次郎 / 闇の絵巻
階下の台所から夕方の美味 しそうな匂いと音がしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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