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海で泳ぐものは一人もない。波の間に枕などが浮いていると恐ろしいもののような気がした。
梶井基次郎 / 海 断片 ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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夜の海
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前後の文章を含んだ引用
......つに赤痢が流行はやったことがあった。近くの島だったので病人を入れるバラックの建つのがこちらからよく見えた。いつもなにかを燃している、その火が夜は気味悪く物凄かった。海で泳ぐものは一人もない。波の間に枕などが浮いていると恐ろしいもののような気がした。その島には井戸が一つしかなかった。  暗礁については一度こんなことがあった。ある年の秋、ある晩、夜のひき明けにかけてひどい暴風雨があった。明方物凄い雨風の音のなか......
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