絶え入るように声を細めて岡は言葉を結ばぬうちに口をつぐんでしまった。そのあとには沈黙だけがふさわしいように口をつぐんでしまった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......しいと思います。……なんだか少しも役に立たない事をいってしまいまして……わたしやはり力がありませんから、何もいわなかったほうがよかったんですけれども……」 そう絶え入るように声を細めて岡は言葉を結ばぬうちに口をつぐんでしまった。そのあとには沈黙だけがふさわしいように口をつぐんでしまった。 実際そのあとには不思議なほどしめやかな沈黙が続いた。たき込めた香 のにおいがかすかに動くだけだった。 「あんなに謙遜 な岡君も(岡はあわててその賛辞らしい古藤の言葉......
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話さなくてはならないことがあるのだが、それを口にすることによって、そこに含まれている事実が、事実としてより確実なものになってしまうかもしれない。できることならそのポイントを少しでも先に延ばしたい。そのような意味合いが込められた沈黙だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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(不思議な感覚を引き起こす歌のようなもの)あれは、歌じゃない。もっと丸ごとのものだ。《…略…》それを歌の次元に翻訳してぶつけてくるのだ。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
もどかしいほどゆっくりした喋り方
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
先方の言うことは燕のように早口で、こまかいことまでは通弁にもよく分らない。
島崎 藤村 / 夜明け前(全) amazon
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