一度転ばして、高慢の鼻を折っておく必要がある

この先生に対して、父兄の尊敬は非常に厚かった。 　われわれがいたずらをしたり、なまけたりすると容赦なく体罰を加える先生なのだが、だれひとり、これを怒ったりうらんだりするものがない。

流刑という古風な刑罰

社会的に葬り去られる

罪の重さに見合った罰

いくつかの座席を越えて便所へ辿りつくことは、アルプスの峻嶮（しゅんけん）を越えるが如きものだ。

現実が辛いからファンタジーの世界に逃げ込む。そこは、いくら遣っても金の心配をしなくてすむ天国のような世界。

こうした（自分の）ケガ、病気、不幸のすべてを、おれは楽しんできた。楽しめるのは、結局おれが自分の存在を周囲から他人のようにながめているからだろう。ながめているおれは、愚行を演じているおれを見て苦笑いしている。バナナの皮ですべって転んでいる男と、それを見て笑っている男が、同時におれの中にいるのだ。苦痛に対する耐性を得るために、無意識のうちに自分をふたつに裂いたのかもしれない。

どんどん、悪くなってゆくだけです。癌や筋ジストロフィーと同じで、止めようがないんです。

立ちはだかった壁は私の歯が立たぬほどぶ厚く堅固なもの