TOP > 人物表現 > 思考・頭の中の状態 > 想像する・イメージする
ずっと昔、子どものころは、暗闇を見つめていると、人の顔が浮かび上がってきそうな気がして、電気の消えた部屋で気軽に目を開けることはできなかった。隣で寝ていた母の顔も、じっと見ていると表面があぶられたマシュマロみたいにじんわりと変化してきて死に顔に変わっていく気がして、見ていられなかった。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
不安になる
想像する・イメージする
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......堵の表情になった。絃のなかでは私は休暇ではなく義務の一部に入っているのだ。それは私が、というよりどちらかというと、絃が不幸だ。 私の目は天井の辺りをさまよった。ずっと昔、子どものころは、暗闇を見つめていると、人の顔が浮かび上がってきそうな気がして、電気の消えた部屋で気軽に目を開けることはできなかった。隣で寝ていた母の顔も、じっと見ていると表面があぶられたマシュマロみたいにじんわりと変化してきて死に顔に変わっていく気がして、見ていられなかった。固く目をつぶり、コンビニエンスストアの隅々まで明かりの行き届いた店内を思い浮かべていた。店員は立ちつくし、あくびしながらも起きている。昼と変わらない平和な世界に......
単語の意味
気軽(きがる)
死に顔(しにがお)
暗闇(くらやみ)
気軽・・・1.面倒くさがったり気にしたりせずに行動するさま。身軽なさま。
2.飾ることなく、打ち解けやすいさま。
2.飾ることなく、打ち解けやすいさま。
死に顔・・・死んだときの顔。死人の顔つき。
ここに意味を表示
不安になるの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
想像する・イメージするの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夢は人間とっておきの自由だ。
林芙美子 / 新版 放浪記
イメージが満ち潮の波の次から次へと打ち寄せる
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
空想が勝手次第に育って行く
有島武郎 / 生まれいずる悩み
子供の落書きのような空想
安部 公房 / 他人の顔 amazon
目に飛び込んできた群衆に重なるようにして、見たわけでもない映像が次々に脳裏に浮かび上がってきた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
自分を正当化するような建て前の話
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
嫌な予感が胸のあたりに充満しはじめる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
恐怖・不安 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ