羨（うらや）ましい、素晴（すばら）しく幸福そうな眺めだった。

満足そうに顔をほころばせる

ほくそ笑む

神様がほんの少しばかりそばへ寄って来たような温い幸福を感じる。

格別の満足感

二人の放つ幸せな光に圧倒され、急に興奮して照れくさくなり、いたたまれなくなった。

からだがカッとするほどの幸福感が押し寄せてくる。

幸福なんて言葉、人はしょっちゅう使わないでしょう？

神様がほんの少しばかりそばへ寄って来たような温い幸福を感じる。

二人は笑った。幸せだと思い込めば思えるような気がした。

遠足に行く小学生のように楽しい気持ち

陶然とする

この男の射精には何の興奮もなかった。自動販売機のようだと思った。

『──俺は幸せなんだ。……』 　彼は先ほど、電気を消した子供部屋で、息子の手を握ったまま唐突に襲われた強烈な幸福感のことを考えた。『俺はこの子の父親なんだ。』と胸の 裡 で呟いて、その一言一言が──「この子」や「父親」といった言葉だけでなく、その関係性を紡ぐ助詞に至るまで！──彼を恍惚とさせた。それは、ほとんど自分自身を見失ってしまいそうなほどの大きな実感だったが、あの平凡なひとときが、それほどまでに特別だったというのは、結局、不安の裏返しであるようにも感じられた。まるで将来、自分の人生の最も幸福な時として、この夜のことをこそ思い出すのではと予感されるほどに。……

鼻にしわを寄せて笑った。