本の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
降雨の風景ばかりを撮った一冊がとくに気に入って、何度も繰り返し見入る。ページの間から雨のにおいが立ちのぼってくる。樹木やアスファルトを打つ雨滴のざわめきに包まれていると、そのまますうっと写真の街へ入り込んでいけそうな錯覚に襲われる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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(腰に下げた鈴の音は)腰のあたりに湧 き出して、彼の身体の内部へ流れ入る澄み透った溪流のように思えた。それは身体を流れめぐって、病気に汚れた彼の血を、洗い清めてくれるのだ。 「俺はだんだん癒 ってゆくぞ」 コロコロ、コロコロ、彼の小さな希望は深夜の空気を清らかに顫わせた。
梶井基次郎 / ある心の風景
(写真の風景)何百回となく写真を通して見ていた風景を実際に目のあたりにするというのは実に奇妙なものだ。奥行きがおそろしく人工的に感じられる。僕がそこに辿りついたというより、誰かが写真にあわせてそこに間にあわせの風景をあわてて作りあげたといった感じだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
食卓の上に、セルロイドを小さな短冊に切って一束にした〔品がき〕があって、これをめくりながら、食べるものを決める。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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