着物もぬがないでぼんやり部屋に立っている。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:48% 作品を確認(青空文庫)
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ぼんやり・朦朧・ボーっとする
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前後の文章を含んだ引用
......亭主は、お君さんと親子ほども年が違っているのに妾 を持っていた。 「実際、私達は男の為めに苦労して生きてるようなものなのね。」 お君さんは波止場の青い灯を見ながら、着物もぬがないでぼんやり部屋に立っている。私はふっと、去年のいまごろ、寒い日にお君さんと、この浜へ来た事を思い出した。あれから半年あまり、もうお君さんとは会えないと思いながら、どっちからともなく尋ねあっ......
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声低く濃霧のかなたでせせら笑われているように朦朧とする
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
岡本かの子 / 金魚撩乱
古い家具を軒先に並べた古着屋があった。僕の肉体は今まで通り、僕に確認もとらず、そこに吸いこまれるように入っていく。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
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(刀鍛冶が)槌 の鬼になって
吉川英治 / 野槌の百
みぞおちの奥のあたりにぽっかりと空洞が生じてしまったような気分だった。出口も入口もない、純粋な空洞である。その奇妙な体内の欠落感──不在が実在するという感覚──は高い尖塔のてっぺんに上ったときに感じる恐怖のしびれにどこかしら似ているような気がした。空腹と高所恐怖に相通じるところがあるというのは新しい発見だった。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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