すごい声量で歌われているのに、すごく遠い、夢の中でなる鈴のように聴こえた。空間をものすごい速度で、自分の色で埋めているのだ、と思った。
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:96% 作品を確認(amazon)
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歌声・歌う
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......たん、それが始まった。 その柔らかくかすれた声で奏でられる歌は、プレスリーのようでも、ましてニコラス・ケイジのようでもなくて、全くべつの歌にしか聴こえなかった。すごい声量で歌われているのに、すごく遠い、夢の中でなる鈴のように聴こえた。空間をものすごい速度で、自分の色で埋めているのだ、と思った。下世話なような、高貴なような変なようすだった。甘くて、悲しくて、二度と取り戻せないくせに、エネルギーにあふれていていつでも取り出せたり触れたりできる気がした。 ......
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泣き叫ぶように 唄っていた。
志賀 直哉 / 真鶴「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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化石したようにしんとして
小栗 風葉 / 深川女房 amazon
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