夜空に花火が咲く。花火は好きだ。色とりどりの光を空にぶちまけて咲く、あの一瞬がいい。消えたあと、しんと静まり、いつもより黒く広く感じる空がいい。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:47% 作品を確認(amazon)
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打ち上げ花火
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前後の文章を含んだ引用
......。夏祭りを告げる音だ。小さい頃は、あの音を聞くたびにわくわくした。城下町の例に漏れず、この街の祭りも古い歴史を持つ。秋祭りのように、神輿もだんじりもないけれど、夜空に花火が咲く。花火は好きだ。色とりどりの光を空にぶちまけて咲く、あの一瞬がいい。消えたあと、しんと静まり、いつもより黒く広く感じる空がいい。好きだ。今でも、わくわくする。拓郎と別れ、独り身のあたしは、『彼氏と一緒に過ごす浴衣です。夏の夜』てわけには、いかないけれど、やっぱりわくわくする。 今夜七時、......
単語の意味
夜空(よぞら)
夜空・・・夜の空。
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
人間が生み出した物の中では傑出した壮大さと美しさを持つ花火
又吉 直樹 / 火花 amazon
この玉から彼が苦心の赤光 が放てなかったら
吉川英治 / 銀河まつり
舞台とは反対の方面で、しきりに花火を揚げる。花火の中から風船が出た。帝国万歳とかいてある。天主の松の上をふわふわ飛んで営所のなかへ落ちた。次にぽんと音がして、黒い団子が、しゅっと秋の空を射抜くように上がると、それがおれの頭の上で、ぽかりと割れて、青い煙が傘の骨のように開いてだらだらと空中に流れ込んだ。風船がまた上がった。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
ひらいた相 が上品でも、音響が何里四方をゆるがしても、また人工の星が宇宙の星を連れて地へ下がって来ても
吉川英治 / 銀河まつり
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「夏」カテゴリからランダム5
春はどんどん深まっていった。風の匂いが変わっていった。夜の闇の色合いも変化した。音も違った響きを帯びるようになっていった。そして季節は初夏に変わった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
全てのものがうだってしまいそうな真夏の午後のひと時
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
「空・中空」カテゴリからランダム5
凍った雲は幕のように空低くかかっている。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
雨戸の節穴から、凄いほど透き通った月の光がさし入る
北村 薫 / 水に眠る amazon
指を入れでもしたら染まるような空の青さ
塩野七生 / ロードス島攻防記 amazon
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