窓から手を振った。 見送るものの胸に一瞬刻印される「死」の香りがするさみしさの陰影は、ほんとうに見送られるものと同一だろうか?
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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人を見送る
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前後の文章を含んだ引用
......家した坊主は残された母や妹の気持ちを一生抱えて歩いて行ったのだろうか。 窓の下にコズミくんの車が迎えに来たのが見えた。部屋を出てホテルのドアを飛び出す竜一郎に、窓から手を振った。 見送るものの胸に一瞬刻印される「死」の香りがするさみしさの陰影は、ほんとうに見送られるものと同一だろうか? 竜一郎が出かけてからも何だかやる気が出なくてベッドに横たわっていた。 ベッドルームはリビングとは違うきちんとした一部屋になっていて、大きな窓がある。開け放すと......
単語の意味
陰影・陰翳(いんえい)
胸(むね)
陰影・陰翳・・・1.影のこと。日が当たっていない暗いところ。
2.1が転じて、具体的に説明されていない部分。味わうことで理解できる、変化や含み。ニュアンス。「陰影に富む文章」
2.1が転じて、具体的に説明されていない部分。味わうことで理解できる、変化や含み。ニュアンス。「陰影に富む文章」
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見残した芝居の幕のあとを見届ける気持
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