夕方の町を歩いて行った。月はまだ低く、澄んだ 群青 の空に輝いていた。西空にまだかすかに、あまい赤が残っていた。

町はすでに青い影の中にすっぽりと飲み込まれていて、でも湖だけがぽっかりと空の赤を映している。あちこちの斜面に、ピンク色の夕もやが湧き立ちつつある。人家からは夕餉の煙が何本も狼煙のように、細く高くたなびいている。町の上空を舞うスズメが、放課後の埃みたいにランダムにきらきらと輝いている。

外を行き来する人の影が、坂道に異様なほど長く 曳ひかれる夕暮どき

雨が上がり月が雲の切れ間に見えてもなお、雨の匂いを残したままの街は夕暮れとはまた違った妙に艶のある表情を浮かべ

今日一日の終わりを告げるかのように、まぶしい太陽がビルの間に沈みつつあった

敵意を持った、ホコリだらけの朝の光

そらのてっぺんなんかつめたくてつめたくてまるでカチカチのやきをかけた鋼（はがね）です。 　そして星（ほし）がいっぱいです。

ダイニングのテーブルの上に朝日が 射しているのが見える。

船が残照を浴びて光る

小さい畠の彼方の栗の木には、だんだんと傾いて行く日足が、黄色い灯を点したようにしずかにさしている。