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女の人が台所で立ち働いていると私はいつも、何かを思い出しそうな気持ちをもよおす。何か悲しくて、胸を締めつけること。きっと死に関係あること。生まれてきたことにも、きっと。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:25% 作品を確認(amazon)
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失われた記憶がよみがえる フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
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前後の文章を含んだ引用
......ていったほうがいいんじゃない? 私も少し食べるからさ。」「じゃあそうしようかな。」 私は答えた。幹子は冷蔵庫からラップがかかった器を取り出し、レンジに入れた。 女の人が台所で立ち働いていると私はいつも、何かを思い出しそうな気持ちをもよおす。何か悲しくて、胸を締めつけること。きっと死に関係あること。生まれてきたことにも、きっと。「殺人の話、聞いた?」 後ろ姿の幹子が、ふいに言った。「何? なんて?」 びっくりして私はたずねた。「昨日このへんは殺人事件の話でもちきりだったのに。」 彼女は......
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催す(もよおす)
胸(むね)
催す・・・1.刺激を与えて、物事を起こす状態にさせる。そういう気持ちにさせる。
2.催促する。早くするように急がせる。
3.人を集めて会などを開く。計画して行事をする。開催する。
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(思い出の本をきっかけに失われた記憶がよみがえる)母は、前の夫と別れてそれが秋ごろで、飲んで泣いて純子さんを困らせて、その後純子さんがうちに 居候 するようになって……。  言葉にするとそういう感じの、でもそれはこんなふうにあらすじでおえるようなものでなく、もっとたくさんの、言葉ではなくてある種の情報の洪水だった。あるデーターを封じていたのに、何かの手違いでまとめて呼び出してしまったような塊が、まとめてどかんと入ってきた。  私は動揺した。なんでこんなきっかけでこんなことになってしまうのだろう?  それらはどんどん流れを作り、筋道にそってあっという間に並べかえられてひとつの物語を作ろうとしていた。その処理は勝手にどんどん行われ、私はただ見ているしかなかった。それが何を創るのか。  私、という物語、自分史、といわれているもののもっと高度で、もっと 完璧 なもの。完成されていて丸くて立体で、私の情の入る 隙間 もないほど厳密なもの。  大きな渦巻き、まわりじゅうの人々や、出来事を海みたいに取り込んで、満ちて引いて私独自の色に染め抜かれた世界に一つしかない、あるいは皆と共通の一つのシルエットを 創る流れのらせんを感じた。  アンドロメダみたいによく知っていて、きれいで遠い姿をしていた。  そして、本から目をあげると。  ありとあらゆるものが、歴史をたたえてそこに存在していた。  さっきまでとは、世界が違ってみえた。  私の記憶の欠けていた所が戻ってきたということなのだろうか。  私は声に出してそう言ってみたけれど、何よりもさっきまでそういうのが思いだせない、混乱していた部分を自分が持っていたというのがもう感覚としてわからなかった。  ただ、何一つ変わっていないように見える部屋のものが、突然ひとつひとつ別のデーターを表現しているように感じられた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(数々の)思い出が彼の心をゆっくりと横切っていった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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