陰気な、暗い重症患者室
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:18% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
病室
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......め、生命の充実を感じた。点滴は雨後の雨だれよりも悠長だったが、それは彼にこれからの人生の長さと、決して急いではならない仕事の重さとを教えているようであった。彼は陰気な、暗い重症患者室に横たわってはいたが、心は早くも画室にあった。それから、写生のために車を走らせている運転台の自分の姿も浮んだ。 四日後に、桑木はその暗い部屋から出て本館二階の普......
単語の意味
陰気(いんき)
陰気・・・気分や天気などが、スッキリしない。明るくなく、ドンヨリしている。⇔陽気。
ここに意味を表示
病室の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
カーテンの向こうは、冷たい光を反射するリノリウムの床に医療機器や酸素ボンベなどが雑然と置かれた処置室だった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(病室から見る外の景色)破れた窓の間から大学の構内をクリーム色に光った自動車がゆっくりと登ってくるのが見えた。第二外科の正門にとまったその車に、一人の見習医官を従えて、国民服を着た小柄の太った男が乗りこんだ。ドアがしまる。車はすべるように走りだす。鉛色の路を消えていく。人影のない夕暮の大学構内での 颯爽 としたそれらの動きは確かにこの暗い研究室やみすぼらしい病室や、その病室で身を横たえている患者たちとは違った世界の出来ごとのようだった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「室内のようす」カテゴリからランダム5
「病院」カテゴリからランダム5
白い天井ばかりを見ている日々が数日続く
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
飾りけも何もない板張りの病室
有島武郎 / 或る女
病院の窓々にはうるんだ灯がともり、港にはいる満艦飾の船のように見えた
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
緇い俎板(まないた)のような簡単な手術台
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
同じカテゴリの表現一覧
室内のようす の表現の一覧
病院 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ