灯台のオレンジ色の灯が心臓の鼓動のように、確かな点滅を繰り返している。
村上 春樹 / 1973年のピンボール ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
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光の点滅・またたき
灯台
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......色を確めてみたい衝動に駆られた。馬鹿馬鹿しい。鼠はもう一度シートにもたれこみ、今度は海を眺める。暗い海の上には白い霧の他、何ひとつ見えなかった。そしてその奥には灯台のオレンジ色の灯が心臓の鼓動のように、確かな点滅を繰り返している。 彼女の部屋は天井と床を失くしたまましばらくのあいだ、ぼんやりと闇の中に浮かんでいた。そして少しずつ細かい部分からそのイメージは薄れ始め、ついには何もかもが消え......
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光の点滅・またたきの表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水たまりに赤い火影が斜めにチカチカと震えている
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
丁度風で消えようとする蝋燭 の火のやうに光ったり又消えたりぺかぺかしてゐる
宮沢賢治 / ひかりの素足
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灯台の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
小林多喜二 / 蟹工船
灯台はずんぐりと黒く、ちょうど鐘をすっぽりと伏せたような形をしている。考えごとをしている男の後姿のようでもある。日が沈み、薄い残照の中に青みが流れる頃、鐘の取手の部分にオレンジ色のライトが灯り、それがゆっくりとまわり始める。灯台はいつも夕闇のその正確なポイントを捉えた。見事な夕焼けの中でも、暗い霧雨の中でも、灯台の捉える瞬間は常に同じだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
近くの沖にゆっくり明滅している廻転燈台の火
梶井基次郎 / 冬の蠅
林芙美子 / 新版 放浪記
灯火のあたりだけ、霧は藤紫色にかわり、海が次第に黒みを増しつつある
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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まっさおな海面に、漁船は陰になりひなたになり、堅い輪郭を描いて
有島武郎 / 生まれいずる悩み
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
海はまだ大うねりにうねり返っていた。
小林多喜二 / 蟹工船
波音が繰り返し響いて、何かを伝えているようでもあった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
波のうねりがまくれ込み、白くくだけて崩れ落ちながら、砂の傾斜に目もくらむほどの早さで走り上がってくる
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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