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淡い藍色の闇が水で溶いたインクのように山の斜面を覆っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:71% 作品を確認(amazon)
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夕闇
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前後の文章を含んだ引用
......て眺めていた。何頭かの羊が音を立てて勢い良く小便をした。小便は床をつたってU字溝に流れこみ、僕の足もとを通り過ぎていった。太陽は山の後ろに没し去ろうとしていた。淡い藍色の闇が水で溶いたインクのように山の斜面を覆っていた。 僕は牧舎を出るとボーダー・コリーの頭をもう一度撫でてから深呼吸し、牧舎の裏にまわり、小川にかけられた木の橋を渡って管理人の住居に向った。管理人の家はこぢんまり......
単語の意味
淡い(あわい)
藍色(あいいろ)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
藍色・・・くすんだ青色。黒色がかった青色。藍(植物)で染めたような色で、ジーパンのような青。インディゴ。
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粒子の粗い夕闇が日光のぬくもりを吸い取り始めていた。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
夜の闇があまりにも深くて、俺は少し怖くなった。周囲の山の影がのしかかってくる気がする。音だけを響かせる川が、霧ごとせりあがってくる気がする。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。
太宰治 / 走れメロス
さっきまで遠くの稜線にわずかに残っていた夕焼けが、暗がりに飲み込まれていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
見る間に、太陽はぶるぶる慄(ふる)えながら水平線に食われていった。
横光 利一 / 花園の思想 amazon
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