いつまでもこの空間に、一度きりの生の音のなかで泳いでいたい。 誰もがそう思う。そういう天才の歌だ。 白くて、粒子が細かくて、甘くて、光り輝いていて涼しい風のような、そういうものでできた歌声だ。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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歌声・歌う
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前後の文章を含んだ引用
......に解放されて、サイパンの鮮やかな夜の中に自分は流れ出している。 いつまでもここにいたい、 親も、兄弟も、恋人も。 みんないらない、みんなここにいるようだから。 いつまでもこの空間に、一度きりの生の音のなかで泳いでいたい。 誰もがそう思う。そういう天才の歌だ。 白くて、粒子が細かくて、甘くて、光り輝いていて涼しい風のような、そういうものでできた歌声だ。 弟は感動のあまり、目を見開いていた。 そして、巨大なホールでやったかのような拍手と喝采が彼女を包んだ。みんな、今夜ここでこの歌を聴けた喜びでいっぱいになってい......
単語の意味
光り輝く(ひかりかがやく)
光り輝く・・・美しくきらめく。きらきらと光る。盛んに照り輝く。
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歌声・歌うの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
頭のてっぺんからつん出るような声を絞って歌う
室生 犀星 / 室生犀星作品集〈第9巻〉汽車で逢った女,餓人伝 amazon
(海のそばで歌う)静かに、波紋のように彼女の繰り出す何かは広がり、何もかもを 吞 み込み、海辺へとたどり着いた
吉本 ばなな「アムリタ(上) (新潮文庫)」に収録 amazon
(舟をこぐ女の)歌声は平らな海面に柔らげられ、優しくうるんで耳に届いた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
ラグビー部とおぼしき筋肉の肥大した大男たちがたむろしていた。自分たちの肉体がただそこに存在するだけでたちあがる威圧感を誇ってでもいるように、大声を抑えず会話している。
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
まどかが布団の上で全身の力を振り絞って泣き喚いていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
二人とも手術を受けたあとのように黙りあっていた。
林 芙美子 / 骨「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
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