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カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。ガツ、ガツに飢えている獅子 のように、えどなみかかってきた。船はまるで兎 より、もっと弱々しかった。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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時化・海が荒れる、波立つ
嵐の中の船
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前後の文章を含んだ引用
......等の命を「安々」と賭 けなければならなかった。――「貴様等の一人、二人が何んだ。川崎一艘 取られてみろ、たまったもんでないんだ」――監督は日本語でハッキリそういった。 カムサツカの海は、よくも来やがった、と待ちかまえていたように見えた。ガツ、ガツに飢えている獅子 のように、えどなみかかってきた。船はまるで兎 より、もっと弱々しかった。空一面の吹雪は、風の工合で、白い大きな旗がなびくように見えた。夜近くなってきた。しかし時化 は止みそうもなかった。 仕事が終ると、皆は「糞壺」の中へ順々に入り込......
単語の意味
兎(うさぎ)
獅子・師子(しし)
兎・・・ウサギ科の哺乳動物。小形で、耳と後ろ足が長くてよく跳ねる。日本でよく飼われている白色在来種は目が赤い。繁殖力が強い。歴史的に人間との関わりが深く、世界各地の伝承に登場する。
獅子・師子・・・1.ライオンのこと。ネコ科の哺乳動物。雄は鬣(たてがみ)がある。肉食で家族単位で狩猟する。
2.ライオンに基づき、昔の東アジアで言い伝えた想像上の動物。左右の狛犬(こまいぬ)のうち、向かって右の、角がない口を開いた方をいう。
3.獅子舞(ししまい)の略。
2.ライオンに基づき、昔の東アジアで言い伝えた想像上の動物。左右の狛犬(こまいぬ)のうち、向かって右の、角がない口を開いた方をいう。
3.獅子舞(ししまい)の略。
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白い猫がいっぱいかけまわっているみたいに、海一面が白く波立つ
松谷 みよ子 / オバケちゃん amazon
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船は、断末魔の鯨が、荒狂う波濤 の間に身体をのたうっている、そのままだった。
小林多喜二 / 蟹工船
波の背 に乗って四十五度くらいの角度に船首を下に向けながら、帆をいっぱいに開いて、矢よりも早く走って行く一艘 の船!
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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海は、まだ黒雲の下にあって、泥絵具で描いたように光のない灰色
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車体の揺れが、細切れに、木村の体を突き上げてくる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
自然は何かに気を障 えだしたように、夜とともに荒れ始めていた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
広い海の面が旗でもなびくように、うねりが出て来て、そして又それが細かく、せわしなくなった。
小林多喜二 / 蟹工船
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太鼓の内部のような船室
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大河の心臓の音のように、川蒸気の音が聞えて来る。
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