TOP > 暮らしの表現 > 人間関係・地位 > 無視される(いじめ)
拒絶は怖いもので、自分自身の存在価値が突き飛ばされたような気持ちになる。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
無視される(いじめ)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ゃん」 緊張して声が掠れた。「あのね、どうしても伝えたいことがあって」「……」 信子ちゃんは私を無視してお弁当を食べ続けた。 緊張で足が震えそうだった。やっぱり拒絶は怖いもので、自分自身の存在価値が突き飛ばされたような気持ちになる。 私は自分から流れ出た星屑でできた水を思い出していた。初潮を迎えたんだから、と私は自分で自分に言い聞かせた。それも、肉体に従ってただ垂れ流す初潮ではなく、自分の......
ここに意味を表示
無視される(いじめ)の表現・描写・類語(人間関係・地位のカテゴリ)の一覧 ランダム5
拒絶は怖いもので、自分自身の存在価値が突き飛ばされたような気持ちになる。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
小川さんたちの無視が静かなものだったせいか、私は思ったほどには傷つけられずに済んだ。 時折吐き捨てられる「死ね」「きもい」という言葉だけが、しんしんと、教室の中を降ってくる。その言葉は、静かに、私の内側に降り積もっていく。 その雪みたいな言葉たちと、無視という沈黙。私がされたのはそれだけで、何かとからかわれて標的にされている馬堀さんに比べれば、随分とラッキーだった。 枠から外れてみると、学校は随分と静かな世界だった。あんなに賑やかだった休み時間の騒ぎ声も、テレビの砂嵐のような意味のない雑音に変わった。 騒がしくてあわただしい教室の中で、私の時間だけが、やけにゆっくりと流れていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
私に対する無視は、とても静かなものだった。口をきいてもらえないだけで、それ以上の嫌がらせをされることはなかった。 朝は、なるべくぎりぎりに登校して、朝の会の直前に教室に入って席に座る。 休み時間になると席を立ち、校舎の中を歩いて時間を潰す。授業の合間の十分休みは、新校舎を一周。四十分ある昼休みは、新校舎と旧校舎を二周ずつ回って、トイレに三カ所立ち寄ると終わる。私は規則正しくそうして歩き回りながら、休み時間を過ごした。 弁当の時間は、誰もいない、屋上へ続く封鎖されたガラス戸の前の階段の踊り場で、すばやく終えた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
いつも休み時間は小川さんと大声で笑っていた若葉ちゃんが、今では、机の上で、シャープペンシルを必死に弄くりまわして、教室の声が届かない場所へ行こうとしているみたいだった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「人間関係・地位」カテゴリからランダム5
半殺しにされる
小林多喜二 / 蟹工船
(あやとり)お互いの友情が手から手へ織りわたされるかのようにむつまじく遊ぶ
中 勘助 / 銀の匙 amazon
同じカテゴリの表現一覧
人間関係・地位 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ