赤ん坊は、針にでも刺されたように、たちまちいたいたしい泣き声を上げる。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
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赤ん坊・幼児が泣く
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前後の文章を含んだ引用
......いに、この老人を捕えたのを知った。しかし彼の微笑の意味はたれも知っているものがない。 猪熊 の爺 は、寝たまま、おもむろに手をのべて、そっと赤ん坊の指に触れた。と、赤ん坊は、針にでも刺されたように、たちまちいたいたしい泣き声を上げる。平六は、彼をしかろうとして、そうしてまた、やめた。老人の顔が――血のけを失った、この酒肥 りの老人の顔が、その時ばかりは、平生とちがった、犯しがたいいかめしさに、......
単語の意味
赤ん坊(あかんぼう)
赤ん坊・・・赤ん坊】生まれて間もない子供。また、おなかの中の子供。身体が赤みがかっているからいう。赤子(あかご)。赤ちゃん。
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「赤ん坊は、両親がぎすぎすしているとその雰囲気を察知して泣き出すらしいんだ。喧嘩がはじまる前兆を察知したりね。その反対に、穏やかな人が寄っていくと、泣き止む」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
赤ん坊の泣き声は、それこそ冬に現われた蝉の鳴声に近かった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
赤児は 殆どひっきりなしに泣き続けた。 眉間 に太い 皺 を作って、小さい唇を震わしながら「ふぎゃあふぎゃあ」と云うように泣く。その声が謙作や直子の胸を刺した。そうして断えず聴いていると、 偶 〻 泣き止んだ時でも、耳の底からその声が 湧いて来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
身体のどこかが破れてしまいそうなくらいの乱暴な泣き声
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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葉子の目にたまった涙のために倉地の姿は見る見るにじんだように輪郭がぼやけてしまった。
有島武郎 / 或る女
目尻から溢れ出た涙が、耳たぶからポタポタと雨だれのように落ちる
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
弟はうなずいた。 そして、泣いた。 彼が赤ん坊の時に私が隣の部屋で、毎夜いやっていうほど聞いた、あの 無垢 であけすけな涙ではなく、ぽろぽろと静かにこぼれる、大人の行きづまりの透明な結晶だった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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