大きな冬枯れの樹木があった。箒を逆にして空に冲 らせたようなその梢
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:17% 作品を確認(青空文庫)
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樹木・木々
枝
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前後の文章を含んだ引用
......りでいたらしく、伸子に二言三言云って、客間へ去ってしまった。――さらにたっぷり一時間待たなければならない。―― 伸子は、ぶらぶら室内散策を始めた。前の空地に一本大きな冬枯れの樹木があった。箒を逆にして空に冲 らせたようなその梢に、どうしてのこったかたった一枚、真赤な楕円形の朽葉がひらひら動いていた。それが透明な二月の碧空の前に、ぽちりと滴った血のように美しく見える。 それを眺め、これ......
単語の意味
冬枯れ(ふゆがれ)
冬枯れ・・・冬に草木が枯れること。また、草木が枯れた、寒々とした冬の景色。
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お儒者のような玄関のまえにある李の木
中 勘助 / 銀の匙 amazon
大きい橡 の木が一本、太ぶとと枝を張った下へ来ると
芥川龍之介 / 河童
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(枯れた梢は)どこか、我々が通常樹木に感じる美感の 根柢 をなす、あの自然さを欠いていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
錯雑した枝と枝とは網の目になり壁になり軒になって
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
露わになった梢が、細い線を空に彫り付けたように見える
高井 有一 / 北の河 amazon
細い枝がしなやかな鹿の脚のように伸びる
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
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振り乱れる大きな柳の緑が、人も車も途絶えた灰色の道端にぽつんと佇んでいる少年を、いまにも 絡み込んでしまいそうに思えた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
地平線のあたりに、木立の群れが不規則な間隔を置いて紫色に近い影を落とす
堀 辰雄 / 菜穂子―他五編 amazon
宮本百合子 / 伸子
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