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(雪の明かりが差し込む暗い室に裸の男性)彼の胸が闇の固まりになって目の前にあった。背中の方から雪の明かりが彼を包んでいた。ぼやけた光の中で、筋肉の輪郭が生々しく浮き上がっていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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室内の闇・部屋が暗い
愛撫(前戯)
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前後の文章を含んだ引用
......死に近づいた弟がいるだけだ。それなのに、弟をいとおしむ気持ちが彼の筋肉を求めていた。 ベッドの向こう側で、果実の皮がむけるように、洋服が身体から剥がれていった。彼の胸が闇の固まりになって目の前にあった。背中の方から雪の明かりが彼を包んでいた。ぼやけた光の中で、筋肉の輪郭が生々しく浮き上がっていた。わたしは彼から目をそらさずに、手袋とマフラーをはずして、コートを脱いだ。 わたしたちは無言でベッドに横になった。頬の感触でシーツの十分な清潔さが分った。その頬を......
単語の意味
背中(せなか)
胸(むね)
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
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部屋の隅から、ゆっくり夕闇が流れ込んでいた。台所の食卓に置いたパウンドケーキの箱が、薄い闇の中に沈んでいた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
台所は電気が消してあるので巻子の背後には廊下の蛍光灯の安っぽい光がちろちろして全体的に灰色であった。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
蛍光灯も冷蔵庫も、既に闇に溶け込んでいる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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愛撫(前戯)の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
私は女を抱いた。他になにが出来るだろう。 しかし、女は身を固くし、 抗いはしなかったが、灯りを消して私に近づいたのは自分ではないといいたがっているように動かなかった。 細い肩を抱き、その髪に手を触れた。 急がなかった。女の胸の深い芯のようなところに熱いものがあり、それがゆっくり 熔けて行くという気がした。 額に唇を寄せ、 頰 に移し、ややのけぞらせて首に舌を触れた。耳にも触れた。 無言の時がすぎ、女は深く息をついた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
サユリは自分の皮膚を移動して行く男の舌を意識した。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
野呂にお尻の穴を舐められて、「自分はこんなに愛されている」とは思わず、それよりわたしは、「自分はこんなにこの男を愛している」と実感したのだ。それは全く、不思議な感覚だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「恋愛」カテゴリからランダム5
(知らない人とセックスしても、好きな人への愛が損われることはないのか?)「チベットにある煩悩の車輪と同じ。車輪が回転すると、外側にある価値や感情は上がったり下がったりする。輝いたり、暗闇に沈んだりする。でも本当の愛は車軸に取りつけられたまま動かない」
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
発情した雌猫のような、太い歓喜の声を放ち続けた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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ミラーボールの幾筋もの光が埃と煙に白んだ宙を、明るく透かす矢となって突き抜ける
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
吉川英治 / 増長天王
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