手を翻せば雨、手を覆せば雲 | 心変わり・熱が冷めるの表現・描写・類語｜小説の言葉集

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手を翻（ひるがえ）せば雨、手を覆（くつがえ）せば雲

夏目漱石 / 吾輩は猫である　ページ位置：52%　作品を確認（青空文庫）

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心変わり・熱が冷める

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前後の文章を含んだ引用

......号する一種の寄生虫が繁殖したので滅多（めった）に寄り添うと、必ず頸筋（くびすじ）を持って向うへ抛（ほう）り出される。わずかに眼に入（い）るか入（い）らぬか、取るにも足らぬ虫のために愛想（あいそ）をつかしたと見える。手を翻（ひるがえ）せば雨、手を覆（くつがえ）せば雲とはこの事だ。高がのみの千疋（びき）や二千疋でよくまあこんなに現金な真似が出来たものだ。人間世界を通じて行われる愛の法則の第一条にはこうあるそうだ。――自己の利益になる......

単語の意味

翻す（ひるがえす）

手を翻せば雲となり手を覆せば雨となる（てをひるがえせばくもとなりてをくつがえせばあめとなる）

翻す・・・１．さっとひっくり返す。軽やかなに裏返しにする。
２．態度を急に変える。
３．風が旗などをひらひら揺らす。なびかせる。

手を翻せば雲となり手を覆せば雨となる・・・（手のひらを上に向けると雲がわき、下に向けると雨が降る天気のように）人の心は変わりやすくて当てにならないというたとえ。

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信じる心は、デパートの正札のように、一夜でつけ替えられるものではないのだ。

岩田豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録　amazon

欲は状況によって、とても簡単に水位が変動します。水面に浮かんだアヒルのおもちゃは、海ほど水が多ければもちろん浮きますが、かと言って栓を開けてしばらくたち、お湯があらかた抜けた湯船にも、黄色いおしりを浴槽の床にこすらせながら、かろうじて浮きます。絃と話すことによってお湯はほんの少し足されただけでしたが、心のなかでアヒルのおもちゃはぷかぷか浮いていました。

綿矢りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録　amazon

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岡本かの子 / 母子叙情

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村上春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ集中する・夢中になる深みにはまる・病みつき・のめり込む快感・心地いい・快い

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手を翻（ひるがえ）せば雨、手を覆（くつがえ）せば雲

夏目漱石 / 吾輩は猫である

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林芙美子 / 新版　放浪記

恥ずかしさで私は唇をかみました。

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こみ上げてくる感情をこらえて瞑目した。

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