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私はそういうものを頭に入れまいと無視して常に自分だけの空間を生きようとつとめていたが、電波のように細かい粒子で飛びかうそんなものは、「気にしていない」という言葉を意識するだけで脳に侵入してくるようだった。
吉本 ばなな / キムチの夢「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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誤った考えを払いのける・頭から振り払う
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......。 何もかもが細分化しているだけに、狭い地域のなかで絶対の力を持つ、いくらでもある異様な決まり。不倫がいいとかいけないとか言う前にまず行われる、一般化の処理。 私はそういうものを頭に入れまいと無視して常に自分だけの空間を生きようとつとめていたが、電波のように細かい粒子で飛びかうそんなものは、「気にしていない」という言葉を意識するだけで脳に侵入してくるようだった。 かすかながらも何か他のものと戦っていたことを、今になって知る。 今思えば私が戦っていたのは、彼や奥さんや、自分自身……それだけではなかったような気がする。 自......
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誤った考えを払いのける・頭から振り払うの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ちらついてくる杉山の 痩せて 尖った頬や肩の輪郭を心の中から消し去ろうと努めた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
幻影は首を振ると消え、眼をつぶると 執拗 に 眼 蓋 の裏に 纏わりついてくる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
「人間は一人で生まれて一人で死んでいくものだ」と訳知り顔の言葉を思い浮かべ、消しゴムをかけるように、それがどうした、と笑う。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
考えをふるい落とそうとするかのごとく激しく頭を左右に振る
久米 正雄 / 学生時代 amazon
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考えが支離滅裂に入れ乱れて頭が破裂しそうだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
尋恵は受話器を持ったまま、静かなリビングの中、一人放心した。一方的な罵声に力を奪われてしまっていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
方向感覚を失った昆虫のように死に向かってひたすらあがく
阿刀田 高 / 恐怖コレクション amazon
思考力をすっかり内部へ追い込んでしまった
岡本かの子 / 母子叙情
(禁煙を始めて)それから一ヵ月ばかり、ふさふさした尻尾を切り取られた動物みたいに、彼女は精神のバランス(もともとそれは彼女を特徴づける資質とは言いがたいのだが)を失っていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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