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(エコー写真)その写真を見せられた時、凍りついた夜空に降る雨のようだと思った。《…略…》夜空は深く清らかな黒色で、じっと見続けているとめまいがしそうだった。雨ははかない霧のように空を漂っていた。そしてその霧の中に、ぽっかりそらまめ型の空洞が浮かんでいた。《…略…》そらまめ型の空洞に目を凝らした。夜を濡らす霧雨の音が聞こえてきそうだった。その空洞のくびれた隅にひっかかっているのが赤ん坊だった。それはもろい影の塊で、風がふくと夜の底へはらはら舞い落ちていきそうだった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......は好きなことを喋りたいだけ喋ると、ゆっくり立ち上がって部屋を出ていった。冷えたグラタンが、テーブルの上で白い塊になっていた。一月十三日 八週+一日 姉から初めてその写真を見せられた時、凍りついた夜空に降る雨のようだと思った。 写真の形としては普通のスナップと同じだった。白い縁取りがあり、裏にフィルム会社のネームが印刷されていた。しかし検診から帰った姉が、無造作にそれをテーブルの上に置いた時、すぐに普通の写真とは違うと分った。 夜空は深く清らかな黒色で、じっと見続けているとめまいがしそうだった。雨ははかない霧のように空を漂っていた。そしてその霧の中に、ぽっかりそらまめ型の空洞が浮かんでいた。「これが、わたしの赤ん坊よ」 姉はきれいにマニキュアを塗った指で、写真の角をつついた。つわりのせいで彼女の頰は青白く透き通っていた。 わたしはそらまめ型の空洞に目を凝らした。夜を濡らす霧雨の音が聞こえてきそうだった。その空洞のくびれた隅にひっかかっているのが赤ん坊だった。それはもろい影の塊で、風がふくと夜の底へはらはら舞い落ちていきそうだった。「つわりの源泉がここにあるという訳」 姉は朝から何も食べていなかったので、ぐったりとソファーに坐り込んだ。「ねえ、どうやってこんな写真撮るの?」「知らないわ。わ......
単語の意味
夜空(よぞら)
赤ん坊(あかんぼう)
夜空・・・夜の空。
赤ん坊・・・赤ん坊】生まれて間もない子供。また、おなかの中の子供。身体が赤みがかっているからいう。赤子(あかご)。赤ちゃん。
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赤ん坊は目を見開き、いっそう元気よく手足を動かして、世界の枠を押し広げてゆく。
小川 洋子 / 口笛の上手な白雪姫「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
ころころと転がる子犬のような女の子
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