日暮れ近い穏かな初冬の陽が静かに褪 めかけている。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:12% 作品を確認(青空文庫)
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冬の夕方・夜
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前後の文章を含んだ引用
......ると客はだいぶ美味 しくなったといった。それほど船乗りの舌は鹹味 に強くなっている。 きょうはいい塩梅 に船もそう混まないで、引潮の岸の河底が干潟になり、それに映って日暮れ近い穏かな初冬の陽が静かに褪 めかけている。鴎 が来て漁 っている。向う岸は倉庫と倉庫の間の空地に、紅殻色 で塗った柵の中に小さい稲荷 と鳥居が見え、子供が石蹴 りしている。 さすがに話術を鍛えた近頃の下町の芸妓 の......
単語の意味
初冬(しょとう・はつふゆ)
日暮れ(ひぐれ)
初冬・・・冬の初め。陰暦10月の異名。孟冬(もうとう)。
日暮れ・・・日の暮れるころ。太陽が沈んで暗くなるころ。夕暮れ。夕方。
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風が澄んだ音をたてて凍りつくような、冷たい夜だった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
冬の月が夜気を白刃のように凍らせる
川端康成 / 掌の小説 amazon
冬の夜が錐のような霜を挟んでからりと明け渡る
夏目漱石 / 門 amazon
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日暮れ近い穏かな初冬の陽が静かに褪 めかけている。
岡本かの子 / 河明り
短い秋を見限ってテラスの真ん中の丸暖炉と、角隅を囲う硝子屏風はもう季節の冬に対しての武装だ。
岡本かの子 / 巴里のキャフェ
一面を覆っていた雪が溶けて、沢の水が音を立てて流れ始める春の日
永井路子 / 朱なる十字架 amazon
(暖かい日が続いた冬)春めいた天気が続いていたが、どこかで手つかずの寒気の在庫でも見つかったかのように、今朝からまた急に寒さがぶり返していた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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