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(話し尽くす)大広間一面のざわめきが精力を出し切って、乾き掠 れた響を帯び、老芸人の地声のように一定の調子を保って、もう高くも低くもならなくなった。天井に近く長い二流三流の煙の横雲が、草臥 れた乳色になって、動く力を失っている。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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タバコ
しらけムード・盛り上がらない
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前後の文章を含んだ引用
......いて、云ってる意味と違ったものを隠しているようだった。心に臆 したものがあって、そういう他人と深い交渉をつける膠質の感情は、はじめからこの男には芽も無いらしい。 大広間一面のざわめきが精力を出し切って、乾き掠 れた響を帯び、老芸人の地声のように一定の調子を保って、もう高くも低くもならなくなった。天井に近く長い二流三流の煙の横雲が、草臥 れた乳色になって、動く力を失っている。 靠 れ框 の角の花壺 のねむり草が、しょうことなしに、葉の瞼 を尖 の方から合せかけて来た。 壁の前に、左の腕にナフキンをかけて彫刻のように突立っているギャルソンの頭が......
単語の意味
乳色(ちちいろ)
地声(じごえ)
乳色・・・牛乳のような色。少し濁りのあるような白。乳白色。
地声・・・生まれつき持っている声。常日ごろ話している声。⇔裏声。
「地」は、「物事の基礎」「生まれつきの才能や性質」を意味する。この字を使うほかの単語として「地声」「地顔」「地肩」「地髪」などがある。
「地」は、「物事の基礎」「生まれつきの才能や性質」を意味する。この字を使うほかの単語として「地声」「地顔」「地肩」「地髪」などがある。
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(タバコの)煙は生き物のように肺の壁を引っ掻く
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
日の出を輪に吹いて
夏目漱石 / 吾輩は猫である
白い煙がうずまくアヘン窟と化した喫煙室
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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白けに白けて、空気がアイヴォリイ・ホワイトに近くなる
小林 信彦 / 神野推理氏の華麗な冒険 amazon
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象は右の後脚にがっしりとした重そうな鉄の輪をはめられていた。輪からは十メートルほどの長さの太い鎖がのびて、その先はコンクリートの土台にしっかりと固定されていた。それは見るからに頑丈そうな鉄輪と鎖で、象が百年かけて力を尽したところでそれを破壊することは不可能であるように見えた。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
さわやかな秋の時計 の盤面 には、青く灼 かれたはがねの二本の針 が、くっきり十一時を指 しました。
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
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誰も喋らず、しんとしたやるせない空気が部屋に流れていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
大気が油のように重くよどむ
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
班内は全く陰うつで残忍な洞窟のようなところとなった。
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