自分という全存在の影が、俄に薄くなりでもしたような手応えなさを、内部的に感じるのであった。淋しいと彼女はそうなった。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:19% 作品を確認(青空文庫)
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寂しい
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......彼女の貧弱な語彙 に無いからばかりでなかった。興味の湧くまで心を集注する熱が、何だか胸の辺で欠乏している。そういう感じであった。伸子は、考えるにも字を書こうにも、自分という全存在の影が、俄に薄くなりでもしたような手応えなさを、内部的に感じるのであった。淋しいと彼女はそうなった。 佃は紐育の北に在るある市にY・M・C・Aの用事で旅行中であった。 その話をきいた時、伸子はむしろ悦んで賛成した。 「結構だわ、行っていらっしゃい。たまには別々に......
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サトウのいない夜は、どこかに不完全な感じが漂っている。その不完全さは、淋しいとか恋しいとか、何かを追い求めるような気持ちとは全く違って、ただの単純なあるがままの不完全さだ。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
自分の気持の一重底に流れているもの、それが寥しい。
宮本百合子 / 伸子
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「寂しい・喪失感」カテゴリからランダム5
何となく淋しくて何も手につかない気持ちになった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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